①・②に続き、【その③】は、「欧風カレー+印象に残ったお店編」です!
①・②はコチラ↓


西と東の欧風カレー
欧風カレー、大阪と東京は大きく風味が異なるんですよね。今回の旅で改めてそれを強く実感しました。
大阪の欧風
フルーツ系の甘さからスパイス感がフェードイン、スープは軽めでバランスの取れた「イチロー型」。
★有名なところで言うと、インデアンカレー、マドラスカレー、上等カレー、等。
鶏系のスープの比率が高く、風味を交差させたり軽やかな口当たりだったり、「華やかさ」に軸に置いているように思います。
東京の欧風
ビーフシチューのような重厚感が一口目からあって、中だるみすることなく最後まで安定してプレイする「キャッチャー型」。
★帝国ホテルのビーフカレー、神保町ボンディ、デリー、スマトラカレー共栄堂、等。
フォンドヴォーなど牛系のスープで煮込まれているので力強くて重く、噛みしめるような味わい。さらに、さりげなく飾り付けをする「工夫」があり、その「工夫」がお店の特色になっているように思います。
隠し味程度に忍ばせたフルーツ感だったり、コーヒーの苦みだったり、「ジャケットの裏地が一番凝っている」みたいな「粋」に近いものを感じました。


ちなみに、らんらんルーの欧風カレーは東京型寄りかなと思います。
ただし重くなり過ぎないように、大阪型の特徴である鶏の出汁をブレンドしたりして調整しています。
衝撃!荻窪「トマト」のカレー
現地系カレーやスパイスカレーなどは新鮮さが命。
尖った風味、爽やかな風味など、さまざまな味覚の集合体で、ライブ照明みたいに複雑で色とりどりな華やかさが特徴です。
逆に欧風カレーは、西も東も長時間の煮込みと「寝かせ」による熟成で生まれる円熟味が特徴です。
尖った部分が少なく、まろやかで味覚とスパイスの風味が「円」に近い構成になります。
極論ですが、裏を返せば円熟味とは、食べ始めから終わりまでずっと直線的な印象の味になります。
そんな欧風カレーで一番衝撃的だったのは荻窪「トマト」さんのビーフカレーでした。
(※写真はごはん半分量)
フォンドボーと、グラスドビアンで炊き上げた重厚なソースの中で最上級のうま味が続きます。さらに、ホールスパイスの挽き方に変化をつけることで、スパイスカレーみたいに風味が飛び跳ね、変則的なリズムが生まれます。けれど、スパイスの主張や刺激は強過ぎず、とても軽く心地よいのです。口の中で妖精が躍るような、あるいは極上のジャズのフリーセッションのようでした。

感動して涙が…
タンカレーもむちゃくちゃ美味しかったです!!
東京に吹く大阪の風
このタイトルで思い浮かぶのは、そう、あのお店。
旨味の魔術師(勝手にそう呼んでますw)八丁堀「wacca」さんにもお邪魔して来ました!
クワトロ盛=4種類のカレーがワンプレートに盛り込まれた、贅沢な一皿。(写真はご飯少なめ)左側が出汁カレーなんですが、出汁が旨い!濃い!深い!!
ただ濃いんじゃなくて、香りと旨味のバランスが絶妙に取られていているんです。ブッチギリのカツオワールドに一瞬で引き込まれました。
無水チキンは安定のしっとりジューシー、ラムキーマは鼻から抜ける香りまで美味しい。香りを追いかけたくなる。
そしてマルチョウデビルはトロットロのプルップル。辛みが効いているけど旨味が乗った辛さなので、辛いの苦手な嫁もペロリ。
個性の立つカレー達をまとめるのはやはり「お出汁」。うどんに七味をかけるような、お蕎麦に天ぷらを乗せるような、土台のお出汁と合わせた時に新たな風味として成立する緻密な構成はもはや白目になるレベル。

なんでこんなに旨いんやー!!!

今回もむちゃくちゃ勉強になりました!!
まとめ
体に知識を、心に愛を、お腹に脂肪を蓄えながら、この旅で本当に貴重な体験ができました。
様々な情報をくださいました皆様、旅先でお会いした皆様、お世話になりました皆様に心から感謝致します。ありがとうございました!!
改装明けの再オープンではこの経験を生かしたお料理で皆様にお食事を楽しんで頂けるよう、邁進致します!
↓【インド探求の旅 in 東京④ ~おまけ~】も是非どうぞ♪
※カレーの話はありませんᐠ( ᐛ )ᐟ
